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ハッピーハロウィン
いい男というのものは、何をやっても様になる。
たとえば、今、俺の前でボサボサ頭で大あくびを繰り返しているこいつだ。
無精ひげでボサボサ頭であればワイルドと誉めそやされるのだ。
もしこれが俺であれば、ただのだらしない男としか言われない。
そんなやっかみも含めて、俺は、その男を面と向かってけなす。
「何だよ。朝っぱらからあくびばかりしやがって。頭ボサボサだしさ。飲みすぎたのかよ。」
こいつとは、小学生からの腐れ縁だから、これくらいの憎まれ口は叩く。
「うんにゃ、昨日は飲んでない。それがさあ、昨日、お持ち帰りした子が寝かせてくれなくてさ。」
そう言うと、ニヤリと笑った。
聞かなければ良かった。
お持ち帰りということは、彼女ではない、ということだ。
こちらは、やっとの思いで、何年かぶりに彼女をゲットしたというのに、こいつときたら、とっかえひっかえだからな。
「へえへえ、それはよかったですね。ほな。」
そう言って、俺がすたすたと去ろうとすると、話を聞いて欲しいのか、そいつは縋り着いて来た。
「待てよ、聞けよ。」
「いやだ。お前の自慢話なんて。」
「自慢じゃねーって。ほら、お前、彼女とさ、もうエッチしちゃったの?どうなの?」
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