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「そもそも、髪の毛が銀色の奴なんて、女としても落第だね」
「この子の弾と同じ色なんだよ。強そうだし、格好良いでしょ」
小鳥遊がホルスターの拳銃を軽く叩いて見せる。銀色のツインテールが跳ねる。
「単に奇抜。ある意味、奴らも避けるかもしれねぇけどな」
「ひーどーいー」
「うるせぇ幼児体型」
そう言って、来栖は僕に目をやる。
「タツ、この後は暇だろ? 学食に行かねぇか」
「よく食欲が出るな、仕事の後に」僕は黒焦げ死体を目で示す。
「あんなの、焼き過ぎて失敗した魚って思ゃあ良いんだ」
「あー、あー、隊長、盗作、盗作! それ、あたしのだよ!」
「うるせぇ。俺のもんは俺のもん、小鳥のもんは俺のもんだ。何せ隊長だかんな」
「職権乱用だよー。竜平(りゅうへい)君からも言ってよ。こんなの発想のレイプだよ」
小鳥遊にすがられて、僕は苦笑を浮かべるしかない。
近くには最年長の三川幸三(みかわ・こうぞう)もいたが、まだあまり皆と打ち解けておらず、寡黙に立っているのみだ。
短く刈り上げた頭髪に、厳つい顔。
腕を組んでいるため、鍛え抜いた筋肉が隆起している。
「皆さん、お疲れ様でした」
そう声をかけてきたのは、巻き揚げ機の操作を担当していた尾瀬秀(おぜ・しゅう)だった。
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