何千回も夢見たこと

12/26
前へ
/256ページ
次へ
「それでは、柿谷部長の歓迎会を始めたいと思います」 企画マーケティング部で一番の盛り上げ役の山本課長が、歓迎会の進行役を買ってでた。 想太も時間に遅れることなく中央の席に座っている。 そして、想太の挨拶が始まった。 立ち上がった想太は、午後に会社で見た時のイメージと全く違っている。 スーツの上着を脱いでシャツの一番上のボタンを外し、ネクタイを緩めていた。 シャツを通して、細見ではあるけれど筋肉質なことがよく分かる。 美少年と言われていた想太は、見た目はそのまま大人になったようだ。 笑うと線になってしまう目元のギャップも、昔のままだった。 こんな場所で、こんな形で、想ちゃんに会うなんて夢にも思わなかった… 「可南子さん、部長って、ヤバいくらいカッコよくないですか? 他の部署の女の人達も、キャーキャー騒いでたいへんらしいですよ」
/256ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1751人が本棚に入れています
本棚に追加