何千回も夢見たこと

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可南子は想太の席に行ってみると、「君が、福岡の人?」と、想太は白々しく聞いてきた。 可南子は頷いてしばらくそこに立っていると、想太の方からここに座るようにと椅子を叩いて可南子を呼んだ。 「部長、何でしょうか?」 可南子も、白々しく聞いてみた。 「誰と話してた?」 「誰って?」 「さっき、隣の奴と話してただろ」 想太は、可南子が席を移動して他の男と話しているのをずっと見ていた。 再会してまだ何時間も経っていないのにこんなに心が掻き乱れるなんて、想太にとっては想定外の事だ。 想太は、可南子の事が気になってしょうがない。 それはまぎれもない事実だった。 「私が誰と話そうがそれは部長には関係ないことですよね? それが用だというのなら、これで失礼します」
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