ひとつ、ひとつ…

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駐車場に停めた車の中で、二人はずっと手を握っていた。 可南子は何も言わず、ずっと想太の顔を見ている。 昨日までの想太の顔とは少し違う、何かが解き放たれたそんな清々しい表情に、可南子は心の底からホッとした。 想太はそんな可南子を力強く引き寄せた。 「可南子のおかげだよ…」 可南子はただただ穏やかな笑みを浮かべている。 「ばあちゃんは、きっと分かっていたのかもしれないな… 可南子に手を引かれ、俺がここにようやくやって来る事を…」 想太は車のシートを倒して、可南子に覆いかぶさった。 俺にたくさんの幸せを運んでくれる俺だけの天使… 可南子のことをこんなにも愛している。 一万回キスをしても、百万回愛してると言っても、足りないほどに… 可南子に溺れている俺を、きっと、ばあちゃんは笑って見ているのかな… もう、何があっても二度と離すもんか…
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