何千回も夢見たこと

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午後の会議が終わると、可南子はパソコンでメールのチェックをしていた。 「ここにいる者だけでいいから、ちょっと集まってくれ」 専務の声がしたので、可南子は、美咲と一緒にそこへ行ってみた。 すると、人だかりの中に見知らぬ男性が立っている。 「皆、もう知っていると思うが、4月からこの部署を取り仕切ってもらう柿谷想太君だ。 明日から出社できるそうだから、協力し合って頑張ってほしい」 専務はそう言うと、新しい部長を前に呼んだ。 「初めまして。 柿谷想太と言います。 これから一緒に頑張っていきましょう」 可南子は、体の震えが止まらなかった。 私の記憶に間違いがなければ、この男は私が知っている松井想太のはず… 専務が新しい部長に関する資料を配っていた。 可南子は、恐る恐る目を通すと名前を見て確信した。 想うと書いて、想太… めったに見ない漢字の想太… 私が大好きだった想太と同じ名前。
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