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あぁ、早速ですね。
ほら、先程申し上げました、
南京錠です。
滑稽極まりないですね、やはり。
思い出を封印する為に用いた錠が、100円で購入出来そうな鈍い金色の南京錠。
えぇ、全ての南京錠が同じ仕様でございます。
え?
鍵、ですか?
さぁ、どうでしょうか…。
捨てているか、未練がましく、手元に置いてあるのか…。
私は、とある御仁のアトリエには、入った事がございませんので。
さて、南京錠はさて置き。
あなた様には、こちらの“Aの肖像”はどう映りましたか?
えぇ、第一印象、というやつでございます。
金色の髪、赤いバンダナ。
青い瞳。
そして、何より、このアニメや漫画のようなイラストめいた筆運び…。
とある御仁は、画家ではなくて漫画家か何かか、ですか?
いえいえ、違います。
画家でもなければ、漫画家でもありません。
この肖像以外は、ちゃんとした絵画でございます。
まぁ、画家ではありませんから、ちゃんとした絵画、と言うのもおかしな話ですが。
この肖像が、特別なんです。
では、お話致します。
この、Aの肖像。
金色の髪、赤いバンダナ、青い瞳の、青年の物語を。
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