告白

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 懊悩している私を現実に引き戻すかのような声が後ろから聞こえた。  幻聴というには、あまりにも力強く、生命力に溢れた声だ。  溌剌とした、まるで十代の男子のようなーー。 「……え?」  私は思わず後ろを振り返った。  そこには偶然にも、私の隣の席の生徒である、彼が立っていた。  先ほど私がいた場所から、ここは五メートル以上離れている。  たまたま彼もこちらへ来たのだろうか。  だとしたら出入り口付近に立っている私が邪魔なのかも知れない、と思って瞬時に壁際へ寄り、彼に道を譲ろうとした。  だが、動こうとしたときに、違和感に気づく。私の肩を誰かが掴んでいる。そうだ。私はさっき、教室を出ようとして、そして誰かに肩を掴まれたのだ。  見えている上に触覚まである、ということは、どうやら幻覚ではないらしい。  では誰が? と思い、その手を視線で辿りーー私は驚愕した。  幻覚よりもよほど驚く事実がそこにあった。
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