千葉と死神

2/7
前へ
/81ページ
次へ
死のうと思った 自分の手が引き金を引き、春宮先輩を撃った そして銃弾は春宮先輩の胸を貫通して壁に穴を空けるのを、僕はこの目でしっかりと見届けた あの傷なら今は多分昏睡状態だ もしかしたら死んでしまったかもしれない だから死のうと思った 蕾ちゃんを振り切って僕は屋上へ走った いくつもの部屋を通りすぎる その時も通りすぎるはずだった 真っ白な部屋で春宮先輩が呼吸器を付けて柔らかい光に当たりながらベッドに横たわっているのを見るまでは 部屋の番号は0422 偶然にも春宮先輩と僕が最初に出会った日付だった
/81ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4人が本棚に入れています
本棚に追加