私の職場のスーパードライ

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私の職場のスーパードライ

 ピルル、ピルル、ピルルっ。  九時始業の事務所で現在の時刻八時十五分。まだパソコンも立ち上がっていないうちから内線が鳴り、私はため息とともに受話器を持ち上げた。こんな時間に掛けてくるのはあの人しかいない。 「はい、東の西園です。……お疲れ様です。……はい。…………はい。……かしこまりました」  受話器を置いて嘆息した。予想通りだ。 (はぁ……今日はどんな雑用?)  手帳を持って立ち上がる。電話主のしかつめらしい顔が浮かんで、胃がキリリと痛くなった。
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