一 自称神様拾いました。

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 殺人的な美しさ。  ハッとして見ると、案の定、目の前にいた薫は魂を抜かれたような顔をしていた。 「おや……こちらはどこのヒメかな。なかなかに美しい」  そう言うと青年は薫の顎に長い指をかけて持ち上げた。ぼんやりしかけていた瑛太はぎょっとして我に返る。 (はぁっ!?)  こんなストレートなナンパなどはじめて見た。  瑛太は反射的に後ろ足を蹴り出す。飛ぶようにして薫の傍に行き、「薫に触るな」と男の腕を掴んだ――  ――はずだった。だが、掴んだはずの腕が手の中で霧散する。  かと思ったら、頭上から押しつぶされるような強烈な圧迫感とともに、今までに味わったことのないような凄まじい頭痛、吐き気が瑛太を襲う。  不快感から逃れたい、そう思った次の瞬間、猛烈な眠気が来た。
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