五 京都、実質三泊二日の弾丸旅行

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 参道を進むと提灯がずらりと掲げられている建物が見えた。あれはなんだろうと思って首を傾げると、 「あれは舞殿」  と瑛太が小さくつぶやく。 「踊るの?」 「踊るんじゃなくて、舞うんだよ」  瑛太はそっけない。本番を前にそれどころじゃないのだろう。彼はそもそも舞殿を見ていなかった。彼の意識はもう舞殿の左側に移ってしまっているのだ。  そこには本殿が鎮座していた。  楼門と同じく朱塗りされた柱、白い壁、そして大きな檜皮葺の屋根。 「大きいね」  感想を漏らす。そして瑛太の横顔をじっと見つめる。彼は息を呑み、ただ本殿を睨みつけている。  一歩、二歩と前に進むと、本殿の前に立った。  二拝二拍手。そして手を合わせ、願う。 (どうか、どうか、瑛太が早くカミサマから解放されますように)
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