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瑛太は二ノ宮神社で細々とバイトをしているのだ(校則違反になるので、家の手伝いの小遣いとしてバイト代をもらっているらしい)。
一日二時間ほどの社務所での受付や、境内の掃除を引き受けている。
時給は労働基準法で定められた最低賃金。それが一気に飛んでいったらしい。
カット一回でそれは、痛すぎるかもしれない。薫でも泣きそうなのだから、守銭奴瑛太ならば泣いてもしょうがない。
「え、ってことは……」
ふ、とこの状況を引き起こした原因に思い当たる。
「名前を見つけるって約束したんだろ?」
ようやく事の重大さが理解できた。
どこが結果オーライだろう。事は全く終わっていなかった。青ざめる薫を瑛太は睨んだ。
「めちゃくちゃ不本意だけど、協力してやる。さっさと名前見つけないと、俺の貯金が死ぬし!」
こうして、薫と瑛太の《神様の名前探し》は始まったのだった。
《第一章 自称神様拾いました。 了》
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