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 相沢妹と相沢がどうやって残りの3人を説得したのかは知らないが、徐々にメンバーは集まった。  俺は何だか気まずくて、夏希とバラバラに家を出たのだが、結局男ばかり3人が先に来て、残りの女子3人を待つはめになった。 「秋は、優ちゃんの妹さんに会ったことあるの?」 「あるよ」 「何で?」 「何でって……家まで送ってったことあるし」 「え? 秋、相沢と遊びに行ったことあんの?」  夏希の質問に返したというのに、野村が俺らの間に割って入ってきた。 「……まあな」  誰にも言わずにいるつもりだった。  俺が相沢のことを好きだと知られれば、からかわれるかもしれないなんて思ったからだ。  けれど、夏希が相沢のこと好きなのかと疑わしい今、そうも言っていられない。きっとこいつは、俺みたいに小さなことなど気にしないだろうから。 「つーか、優ちゃんって何だよ。この間から」  ずっと気になっていたことだ。なれなれしく下の名前で呼びやがって。俺ですら気恥ずかしくて苗字で呼ぶのが精一杯だっていうのに。 「え? なんで? 可愛いじゃん、優ちゃんって名前」 「いや、名前の問題じゃなくて……」 「呼びやすいし」  平然とそう答える夏希が憎たらしい。そういえば、相沢も夏希先輩だなんて下の名前で呼んだりしていた。  俺のことは高瀬くんのくせに。名前の呼び方ですら、俺と夏希には差があるようで納得がいかなかった。 「なあ、秋と相沢っていつから仲良かったっけ? 俺、隣の席になるまで知らなかったわ」 「別に……」 「なに、そのどこかの女優みたいな返事。でもまあ、話してみたら話しやすいよな。今まで接点なかったから暗いやつなのかと思ったけど、わりといいやつだったし」  何でお前が上から目線なんだよ。そもそも、あそこの席は俺が狙ってた席なのに。  この前の日直だって本当なら俺が相沢と一緒にやるはずだったんだ。無意識に沸き上がる野村への闘争心が俺を苛立たせた。
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