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 私は、どうして可愛く生まれてこれなかったのだろう。  そんなことをもう10年以上も疑問に思っている。  私が人よりも可愛くないと気付いたのは、幼稚園の時だった。  ある日私は、亜美ちゃんというまるでお人形のような大きな瞳をもった彼女におもちゃを貸してと言われた。  私は、お気に入りだったそのおもちゃをとられたくなくて断ったのだが、その瞬間に周りの人間から「亜美ちゃんが可哀想」と批難を受けることになった。  その日から感じた違和感は、思い込みでも勘違いでもなく、人は皆可愛い子には優しいものなのだとこの後何度も思い知らされた。  私も可愛く生まれたかった。そう願っても整形でもしない限り、この顔は可愛くはなれない。そして不幸なことに、私の周りにはいつだって可愛い子が側にいるんだ。  悔しい、妬ましい。そんな感情を持ってしまう自分が嫌い。だから、傷つかないふりをして、笑顔を作ってしまう。  でも、いいんだ。いつかは容姿じゃなくて、本当の私を見てくれる人が現れるはずだから。
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