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そう言って、秀は窓際の四人掛けのテーブルの上に荷物を置く。
確かにカフェなんて名前からして、資料を広げたりには向いていないかもしれない。見ていないからわからないが。
もし資料を広げるのに適さなくて、昼を食べて出て来て、違う場所に座るのも面倒である。
「そだな、たしかに」
祐也はそう言って、秀と同じテーブルに荷物を置く。
カフェが気になるなら、違う時に入ってみれば良いのだ。もちろん秀と。などと祐也は考える。
ここの食堂は食券を買って、カウンターに持って行き、食べ物と交換するのだ。
食券販売機は食堂に入る時に目に入ったのだろう秀は、財布を鞄から出している。
何が有るのだろう、と二人で食券販売機に向かう。食堂で何が食べられるかもまだ知らない。
自分たちは、まだここの学生になったばかりなのだから。急がなくても、時間はたくさんあるはずだ。もちろん秀といられる時間が。
祐也は先程から秀のことしか考えていない自分の思考回路を、変じゃないかと思いはするものの、入学式で一目惚れした身だ。秀のことを色々知りたいと思うし、一緒にいたいと思ったってそれはしかたない、と思うのだ。
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