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「あれは、サークルの勧誘だったのか」
一体なんなんだ、と言いたげな秀。
いや違う、明らかにあれはナンパだった、などと祐也は言えない。言いたくない。
それにしても、秀はやっぱり可愛い子認定されてしまうほど、注目されておかしくない存在なのだと、改めて認識する。
自分以外にも、一目惚れする女とか、さっきのチャライ男みたいなのが湧いて出るかもしれない。それは避けたいと祐也は思う。
秀との時間をそんな奴らに持っていかれてたまるか、である。心情は。
「そうそう、あーゆうのには、もう入るとこ決まってるって言えば、それ以上言ってこないから」
秀はサークル等には入る気はないので、この大学にどんなサークルがあるのかを知らない。
それに、勧誘された時の断り方法なんて、知る訳がない。
「もし入る気がないとか、迷ってるとか言っちゃったら、あーゆうのはしつこいからさ」
気を付けようね、と祐也は教えてくれる。
なるほど、入る気がない、も駄目なのかと秀は納得した。
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