38人が本棚に入れています
本棚に追加
祐也の目論見としては、自分と長く秀がいるための作戦なのだが。簡単に信じて頷いている秀に、大丈夫かな秀。と自分でやっておきながら心配になってくる。いや、このまま秀が、俺を頼ってくれてたら、それはそれで美味しい。とか考えている辺りで、駄目じゃないのか、俺。いやいや、俺は悪くない。なんか天然っぽい秀が悪い。可愛い秀が悪い。可愛いから全部許せるけど。
祐也の頭の中が、少し怪しくなってきた。これはヤバい。滅茶苦茶ヤバい奴!と自分で自分に突っ込みを入れる。
「祐也!」
ふいに、秀の声が間近で聞こえた。
四人掛けのテーブルに、隣どおしで座っている。角なんてなければ良いのに、と角を睨みたくなるのを、秀に呼ばれているんだったと顔を上げることで霧散させる。
が、思いのほか、近くに秀の顔があって、祐也の心臓はドキドキだ。
「ど、どうした?」
若干どもってしまうのも、無理はないが、俺おかしい奴認定はされたくないぞ、と祐也は笑顔を見せる。
「否、声かけても反応がなかったから」
しまったー!自分の煩悩と格闘している間に呼ばれていたのか。
最初のコメントを投稿しよう!