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0.チュートリアル
人は何のために働くのか。生きるため、飯を食うため、中には充実感を得るためという人もいるだろう。別に俺は何だっていいと思っている。苦痛よりは楽しいほうがいいし、貰えるならたくさんお金は欲しい。でも頑張りたくはない。ある程度の労力で、ほどほどに仕事をして、まあまあ元気な感じで日々を過ごしたい。
世間は俺みたいな人間を「ゆとり世代」だと言うけれど、そうさせたのはあんたらだろうとしみじみ思う。頑張ったところで認められない。努力したって報われない。待っているのは明るくも輝かしくもない未来だけだ。そんな中で何を希望にいけというのか。
「お先に失礼しまーす」
定時ピッタリ、時計の針がまっすぐになる。終業のチャイムと同時に俺は荷物を持って立ち上がった。きっちり八時間労働、無駄はない。与えられた仕事はきちんとこなして、休みもきちんととって、土日は何があっても仕事のメールは見ない。電話にも出ない。人生何事も省エネが一番だ。
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