短編集

ゆうれい ※BLではありません

「きょうはどうするの？」
　ママが取り込んだ洗濯物を畳みながら訊ねた。
「容子ちゃんちでプールをするの」
　あたしはママの後ろからのぞき込むようにして、おひさまでふわふわになったタオルケットの匂いを嗅いだ。
「まいも！　まいもプールする」
「まいはダメよ。きょうは検診があるでしょう」
「やー！　まいも一緒にプールをするのー！」
　再びぐずぐずと泣き出したまいに、ママはため息を吐いた。検診が終わったら帰りにかき氷屋さんに寄る約束をして、まいをなだめる。
「容子ちゃんのお母さんは、みひろもいくことを知ってるの？」
　あたしはこくんと頷いた。
「あとでお礼の電話を入れておかなくちゃ。水着はどこにしまったかしら……」
　ママはあたふたと立ち上がると、水着を探すため、リビングから出ていった。