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お店がだんだん混んできた。
小さな4人掛けのハイテーブルに、ハイスツール。
テーブルの木目は手触りが良く、重厚感もある。
スツールは背もたれが無いのに座り心地が良く疲れない。
良い趣味だなぁ。
「彩さん、インテリアばっかりチェックしていますね」
私の不審な挙動が星崎に見つかってしまった。
「ついつい。職業病ですね」
「良いお店でしょう?あそこで料理作ってるのが俺の大学時代の友人なんですよ」
へぇー。インテリ坊ちゃんの星崎に、飲食店で働く友人がいるとは。
「インテリアのセンスも良いし、料理も美味しいし。すごく良いお店だと思います」
私のコメントを聞いて、星崎は嬉しそうにビールを飲んだ。
「星崎さんは大学院修了したらどうされるんですか?」
「独立します。今も幾つか業務委託で仕事もらっていますけど、その規模を広げて、スタッフも何人か雇って会社を大きくします!」
星崎は手を握り締めながら、ふん!と鼻をならした。
「よ!星崎!未来のスティーヴ・ジョブズ!」
部長がへらへら笑いながら声をあげる。
大野さんも同じような掛け声をかけてにこにこしてる。
世の中そんなにうまくいくのかしら、、、、
そう思いながらも、
私もいつか自分でインテリア雑貨を扱うお店を開店する夢を見る。
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