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「お疲れ様っした!」
結局23時近くまで飲んでしまった。
部長は先に帰り、大野さんと星崎と3人で商店街を歩く。
「今日は楽しかったですね。誘っていただいてありがとうございました」
「いやぁ~楽しかったね~。また行こうね~」
星崎に話しかけたつもりが、何故か大野さんが答えた。
「じゃぁ、僕はバスだからここで失礼するね~。お疲れ~」
世田谷通りで大野さんと別れた。
「彩さん、半蔵門線ですよね?大手町まで一緒に帰りましょう」
星崎と並んで歩く。
帰宅ラッシュがひと段落して、道路も電車も空いていた。
「彩さんって結構お酒飲めるんですね」
「あー、そうですね。子どもが生まれるまでは飲食店で働いてて、お酒は一通り覚えて飲めるようになったんですよ。飲み会とか多かったし」
「そうなんですか。そっかぁ。お子さんいらっしゃるんですもんね」
「そう、女の子。可愛いですよ」
他愛もない話をしながら電車に揺られる。
結構飲んだかなぁ。
久しぶりの飲み会で、頭も身体もふわふわしてる気がする。
「彩さんが可愛いから、お子さんもそりゃ可愛いですよね」
星崎がにこにこしながら私の顔を覗く。
「目が大きくて、笑うと可愛くて」
あら、この人ずいぶん酔っ払ってるわ。
「あはははは。私は並程度ですけど、うちの子はそりゃ天使みたいに可愛いですよ~」
軽く受け流す。
「僕は初めて見たときから、彩さんが可愛いと思ってました」
今度は遠くを見ながらつぶやく星崎。
なんだか、怪しい雰囲気になってきたので話題をそらそう。
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