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主人には適当に妹の家に泊まるといってその日のことはごまかした。
その後はいつも通りすれ違いの日々が始まり、主人に星崎との関係が疑われることはなかった。
そもそも、主人にとって私は子どもの母親以外の何者でもないようで、
私の仕事や友人関係は彼にとってどうでも良いことだった。
星崎とは、LINEでやりとりをするようになり、朝の「おはよう」から寝るまでの「おやすみ」まで、1日に何通もLINEを送り合った。
『今日は全体会議だよ~。朝から疲れる(。-ω-)』
『お疲れ。俺はこれから学校行ってくる』
『行ってらっしゃい。寒いから暖かい格好してね!』
『はーい。行ってきます』
『今日のお夕飯はハンバーグだよ☆』
『お、美味そう!やっぱり彩ちゃん料理上手だと思ったんだよねー。今度食べさせて』
『料理上手でもないけど~。今度お弁当作るね!隆君、何かリクエストある?』
『やった!俺、から揚げ弁当が一番好き』
『から揚げはあんまり得意じゃないけど・・・。がんばるよ!』
いつの間にか、星崎は私のことを「彩ちゃん」と呼ぶようになり、私は彼を「隆君」と呼ぶようになっていた。
毎日が楽しかった。
毎日彼から来るLINEを心待ちにし、その日にあったことを伝えられる相手がいることに感謝した。
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