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結局、星崎と大野さんと他部所の部長も含めて4人で行くことになった。
「かんぱーい!お疲れ様!」
お店は三軒茶屋の商店街にある、こぢんまりしたビストロだった。
とりあえずはビールで乾杯し、壁一面に貼られたメニューからオススメのものを注文して一息ついた。
「いやぁ~、本当売れてよかったね~」
部長がご機嫌にガーリック風味の枝豆をむさぼる。
「本当ですよ。ホームページの立ち上げも結構時間がかかりましたし、決済システムの導入も苦労しましたから。売れてくれないと困りますよね」
星崎も今日はいつもより饒舌だ。
「販促ががんばってくれると、営業としても助かるなぁ。量販店の卸営業は実入りが少ないからね」
営業の大野さんと飲むのも、今回が初めてだ。
「私もほっとしています。入社して半年になりますが、販促といっても営業事務のようなことばかりで、売上に貢献できていないと常々感じていましたから」
「彩ちゃんはあれかい?子どもがいるんだって?」
部長がなぜか私のことを名前で呼んでいる。
まぁ、今日は無礼講として許してやろう。
「はい。娘で5歳になります」
「若いのに5歳の娘さんがいるんだね~。結婚が早かったのかな?」
「結婚は27歳の時です」
「そうか、そうか。今の人は30になっても結婚しない人も多いからね~。子どもも作らない人多いんでしょ?その点、彩ちゃんは偉いね~。子育てもして、仕事もして。
星崎は?どうなの?彼女の1人や2人、いるんでしょ?」
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