第1章

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日本人の男としては低くはなくても、『彼』と並べば、かなり低い・・・。 う~ん、と男物のシャツを広げ目の前に掲げながらひとり唸る。 (もう少し大きいのあったりしないかなぁ?) 『オレの服は勝手に処分しといて、オマエなら、そんくらい出来るだろ』 さっきフラッシュバックした腹立つ片方の声が、再度喚く。 まさか、にっくき置き土産が、こんな風に役立とうとは。 ごみの収集日がずれていた事が幸いした。 『災い転じて福となす』な心境だ。都合がいいな、自分も大概だ。 バチン―――!! (停電!!?) バッとレースのカーテン越しに外を見る。隣家の家の灯りはついている。 そうなると、誰かが消したとしか・・・。 (・・・もしかして、わたし、ものすごくバカな事をしたんじゃ・・・) サーッと急速に血の気が引いていく。
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