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息をすると、射光を乗せた朝靄が裾を引く、森のような匂いが胸に入り込んできた。
ごろりと身体を横に向けると、ぬくいふんわりした感触に包み込まれる。
(ふぇ~、気持ちいい~)
ほろ酔い加減みたいな心地よさ。
コンビニの肉まんの上で寝たらこんな感じかも・・・。
(まさにふっかふかの・・・、なんとも言えない~・・・。こたえられん~・・・)
冬の布団から出たくないのと同じ。
寒い時季、
“急激に布団から起き上がるとよろしくない”
を口実に、もう一度微睡へと押し戻そうとしてしまう。
ひとりでに瞼が持ち上がり―――・・・。
「ん・・・・・・?」
気が付くと、ベッドの上。
(どこ、ここ?)
意識が浮上し、可奈は上半身を起こした。
持ち上がった掛け布団から、体温を含んだ空気が動いて、森の様な匂いは数秒で霧散した。
とりあえずは、どこかの部屋みたいだ。
窓は無く、今、自分が乗っかっているベッド以外には、エアコンのリモコンが置かれた飾
り気の無い木製テーブルと椅子があるだけだ。
広さもせいぜい4~6畳といったところか。数歩歩けば、直ぐにドアへと辿り着く。
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