眠り姫

誘い

「はーい、オッケーでーす！」

杏奈を照らしていたフラッシュの雨が止み、彼女はほうっと息をついた。

「ありがとうございまーす！」

杏奈は元気よくお辞儀をし、彼女に向かって満足そうに微笑んでいるカメラマンにお礼を言った。

「いやあ、最近一段とかわいくなったんじゃない？　ポージングとか表情も前に比べて良くなってきたし」

「丸谷さんのおかげですよー」

いやいやと手を振りながら、内心杏奈はまんざらでもなかった。

「でも心配だなあ、こんなにかわいいと杏奈ちゃんまで誘拐されちゃうんじゃない？」

「え？」