プロローグ ---ゼロ---

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直径二十キロ、半径十キロの円型の地に“二人”は立っていた。 一人は、見る者全てを魅了するだろう銀髪に、透きとおった白い肌と安心感を与える眼。 手には、自身の背丈の二倍以上あるだろう白銀の両手剣がきつく握り締められている。 それに対し、もう一人は、全てを見通す黒曜石の眼と、あらゆる物を飲み込んでしまうほどの黒い髪。 そして、手には、黒く染まった二メートル程の両手剣が二振り。 二人は、対義的な姿をしているが、顔の造形はまるで鏡を映しているかのように瓜二つであった。 “闘神”と“邪神”、そう呼ばれる二人は向かい合い、闘った。 三日三晩、間髪入れず、ひたすら闘った。 “禁呪”と呼ばれる天変地異を起こすを物を二人は、ぶつけ合う。 見る者に涙を流させるほど重く、華麗な剣技を繰り広げる。 そして、そんな闘いは四日目の朝、“闘神”を犠牲に終結した。 だが、“邪神”は、最後に失敗を犯した、“闘神”が死んだ後、“闘神”が設置していた罠が発動した。 そして、その結論として“邪神”は、五千年の眠りに着いた。 ーーーそれは、“神話”の最後の一ページーーー
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