367人が本棚に入れています
本棚に追加
熟練OTK《オタク》である俺はすぐに状況を理解した。当然だな。(ドヤ顔)
「え?じゃッ、チートは?チート?」
俺はそれを確かめるべく、狭い空き地をぐるぐると走り回ったり、近くにあった重そうな岩を持ち上げてみたりした。
しかし、実際に走る速度は、全く速くも何ともなく、当然、岩も持ち上がりはしなかった。
その時、俺は思った。
ーー終わった……と…
確かに可愛い女神様に会っていない時点でフラグではあったが、チートを期待せずにはいられなかった。
楽しい気持ちから一転、虚しい気持ちに変わった。
「終わったー」
俺は、両手を地面につけ、両膝も地面へ崩れる。
今にも、上から『ガーン』の文字が生まれて来そうだ。
いやだって、異世界なんて強い魔法バンバン撃ちまくって、剣でモンスター倒しまくって無双するから面白いだろうに、それが無かったらただの住所不定無職の最底辺じゃないですか?(超正論)
あぁー、どうしようー………
よし、今俺が出来ることは、ひたすら“魔法”と“剣”がない異世界だと祈ることだ。
そして可愛い子を求めるて旅に出る事だよ。
俺は、“絶望”の体勢をやめ、座禅を組む。
最初のコメントを投稿しよう!