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「キミは、何故こんな所に?」
「……オレだって知りませんよ。神様とやらの不注意で一度死んで、別の世界に来てみたら、あっという間に不審人物認定。それでこの有り様っすよ」
「ハハハハ!それはまた奇妙な巡り合わせだな。神も酷いことをなさる」
「……信じんのか?こんな突拍子もない話を」
「キミはウソをつくような人物ではない……。私には分かるんだよ」
「へー……。年の功ってやつか」
立ったままの話も疲れてきたんで、ドカッと座る。やっぱ床も冷てぇな。
「……どう思う。この国を」
「あー、全部は見てないからはっきりは言えないっすけど……腐ってる気はしますね」
「ほう。何故そう思う?」
「この国の陛下とやらに会いました。あんま話してないんで感覚的にしか言えないっすけど、人を常に見下し、自分の支配下に置こうとしてるような感じがしました。……多分アイツ、人間のクズじゃないっすか?」
「ハハハハハ!!一度会ったばかりの人物を、それもこの国のトップをそこまでこき下ろすか!正気を保った発言とは思えんぞ!」
「あくまで率直な感想っすよ。また会ったら変わるかもしれない程度の」
「……だが的を射ている。君が言うように、この国は腐ってる」
「!」
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