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「また戻ってくることになるとはね……しかも侵入者として」
ハルちゃんの案内で、王宮付近に来たオレら。心なしか、警備がさっきより多い気がする。
「警備が多いですね。……もしかしたら、ミレンさん達がいなくなったからかも」
「なるほど……。つまり、この年増のせっ!?」
頭に鈍い痛みが走った。コイツはバカ力なのか?女の繰り出す痛みじゃないぞ。
「アタシのせいじゃなくて、アンタのせいでしょ。アンタ、牢獄から逃げたんだから、脱走扱いだろうし」
「……やっぱりお前のせいじゃ」
もう一撃入った。やめて、もう一回死んじゃう。
「コイツ、助けなきゃ良かった。本当に口が悪い変態だわ」
「変態じゃない、紳士だ」
「アンタみたいのが紳士なら、世の中の人たちは聖人ね」
「あ、あの二人とも。ケンカはダメですよ……?」
ハルちゃんがとりなしたところで、本題に入る。
「さて、どうやって潜り込みましょうか」
「ミレン、何かいい魔法ないのか?」
「そういうアンタは、何か魔法使えないの?」
「知識も何も入ってないな。よって使えん」
「使えないのはアンタの存在よ。……あの地神、ちゃんと仕事してるのかしら?」
「オレが使えない以上、お前が使うしかないな。さあ、なんとかするんだ」
「ぶつわよ、アンタ」
「暴力反対」
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