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「ちなみにお前、どんな魔法を使うんだ?」
「……聞きたい?」
怒り心頭だったはずのミレンが、魔法について尋ねた途端、ニンマリと得意気な笑みになった。
「……やっぱいい」
「有り体に言うと、創造ね。ここにないものを作れるの。例えば」
いいと言ったのに、説明を始める年……ミレン。コイツさては自慢したかったな。
キョロキョロと回りを見て、一つの小さな石ころを掴む。そして、
「アレスタ・フォートレス……フラワー」
意味のわからない言葉を唱えたかと思うと、石ころは光を放ち、気づけば小さな花へと変化していた。
「わ~、すごーい」
ハルちゃんが小さく拍手。くっ、オレも魔法が使えればこんくらいっ。
「創造したものを作るらしくてね。想像力に自信のある私にはうってつけの魔法って訳」
「なるほど。腐じょ」
言い切る前に殴られた。図星だったようで、若干顔が赤い。
「?」
不思議そうに首を捻るハルちゃん。うん、君は純粋無垢なままでいいんだよ。
「で。創造の魔法では、現状いい方法が浮かばない、と」
「そうね。……一つ手はあるけど」
「あるんですか?どんな方法が?」
「コイツを囮にする」
真顔でオレを指差す年……ミレン。
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