人を敬うことは大切なことです

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「おうおう。このリーサルウェポンたるオレを囮とは……やめとけ。死ぬぞ?」 「アンタがね。だからこの案はなしね。仮だけど、弟を見捨てる訳にはいかないし」 「仮?」 「ああ、ハルちゃんはそこまで知らないか。こっちに来た時に、痴神って神様に姉弟設定を追加されてな。まったくひどい話だぜ。ただでさえ姉なんて存在がイヤなのに、その姉が年増の腐女子と来たらもうっ!!?」 ミレン渾身の後ろ蹴りが、オレの腹に鋭くヒットした。 草陰に隠れていたオレは、その一撃の強さで草陰から出てしまいまして。痛みを堪えながら目を開けると、なんとそこにはたくさんの兵士の方達が。 「…………」 「……あ、アイムファイン。テンキュー」 「侵入者だぁぁ!!」 兵士が叫ぶと同時に呼び笛が鳴る。 「くっそぉぉぉ!!覚えてろよあの年増ぁぁぁ!!」 追いかけてくる兵士から、オレは全力で逃げ始めた。 「……囮作戦、開始よ」 「えぇっ!!?」 「アイツが自分を犠牲にしてまで作ってくれた時間、無駄にする訳にはいかないわ!行きましょう、王宮へ!」 「は、はいっ!!」
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