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「はぁっ……!はぁっ……!」
あれから15分くらい経った。まだ捕まらずになんとか逃げ回ってるが……そろそろ無くなりそう。体力。
一方、オレを追いかけてるゴリラはというと、
「うほっ、うほっ、うほっ!」
スピードや体力が衰える気配はなく、わずかに理性が残ってるのか、パンツ一丁状態で走ってる。もう純然たるゴリラと化してるな。元からだが。
「ち、ちくしょう……どっか行けよぉっ!?」
足が上がらなくなってきていたのか、地面の石に蹴躓き、派手に転んだ。
「ってて……うぉっ!?」
痛めた足を押さえていると、両手を地面に押さえ込まれた。犯人はもちろん……、
「やぁっと追いついた……うほぉ」
「ぎぃやぁぁぁーー!!!」
目の前のゴリラ。いやぁ!目の前にゴリラがいるぅ!めっちゃ荒い息してるぅ!
「ま、待て!落ち着くんだゴリラ!オレは人間で、ゴリラではない!よって種の存続はできない!オッケー!?」
「安心しろ。俺も人間だ。……うほぉ」
「ぜってぇウソだよ!純然たるゴリラだよ!学名ゴリラ・ゴリラ・ゴリラだよ!」
「うほぉ……俺が人間かゴリラか。そんな些細な事、この際どうだっていい……。さぁ、楽しい事しようぜ……?」
「あぁ!いや!助けてママー!ミレンー!地神様ーー!!」
「ようやく、きちんと呼んでくれましたね」
「……へっ?」
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