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時間が一時停止したかのように、回りの風景もゴリラの動きも止まった。と同時にどこからか現れる痴神。
「…………」
「あぁウソ!ウソですちゃんと呼びます!だからどっか行かないで地神様ー!」
「……いいでしょう」
なんとか首の皮一枚繋がった。はぁ、とため息をつきながら戻ってくる地神。
「これ、アンタが?」
「はい。あなたもようやく人を敬う気持ちが出たようなので、今から魔法を授けようかと。その為に時間を止めさせて頂きました」
「へ?え、オレが魔法使えなかったのって、もしかしてバグとかじゃないのか?」
「だって人を、というか神である私を敬えない人に魔法を教えたくなかったんだもーん」
ぷくぅと頬を膨らませる地神。……可愛くねえ。
「…………」
「あぁウソ!めっちゃ可愛いです!いやぁ天使みたいだなぁだから魔法教えてお願い!」
「それでいいんです」
フフンとふんぞり返る地神。おい、キャラ変わってんぞ。
「今からあなたに授ける魔法は破壊です。ぶっちゃけなんでも壊せます」
「ものすごくぶっちゃけたな」
「使い方次第では良いようにも悪いようにも働きます。世界を救う事も壊す事もできます」
「ふーん」
「……興味なさそうですね」
「世界とかどうだっていいし。自分さえよければいい」
「限りない自己中心的発言ですね」
「けどまあ……身近な人だけは守りたいかな」
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