人を敬うことは大切なことです

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「颯谷さん……あなた、美恋さんのこと」 「やっぱ幼女は保護していかなきゃな!そのためにはまず、ハルちゃんの頼みからだ!」 「……やっぱり変態だった」 「地神さん、もう一度聞くけど、何でも壊せるんだよな?」 「ええ。目の前の薄汚いホモ野郎も体ごとぶっ壊せますよ。ってか壊して。お願い」 「さすがにそこまではしねぇよ。ちょっと考えがある」 「……分かりました。では、私も戻りますね」 「ああ、ありがとう」 地神がいなくなると同時に、再び世界が動き始めた。 「うほぉ……うほぉ……」 目の前のゴリラの荒い息も。っつーか、これ以上は本当にヤバイな。 脳内に魔法のやり方が浮かんでくる。小さい頃から慣れ親しんでるかのようにスムーズに脳内で魔方陣を描く。 「わりぃな……心淵崩落」 「っ!!うぉ、な、なんだ……ぐぉぉ……!」 ゴリラが胸を押さえる。違和感が明らかに発生しているようだ。本来ならパッと効力の出る魔法みたいなんだが、今回は手が不自由なのが災いして効力がゆっくり出てるみたいだな。……苦しいだろうが、自業自得だと思って諦めてくれ、ゴリラ。 「ぐぅぉぉぉああああ!!!」 野獣の最後の叫びがこだまする。その叫びを聞きつけてか、兵士達が集まる。 「こ、これは何事だ!?」 あの隻眼の兵士もいるな。丁度良い。手頃なやつで仕返ししよう。 「ああ……ああ……!」 叫びが途切れ、ゴリラが何が起きたのかと言わんばかりに辺りを見回す。そして自分の格好を見るなり、 「きっ……きゃああ~~!!」 衣服をかき集め、その場から逃げ出した。
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