乙女の想像力は無限大

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「……よし。誰もいないわね。ミラージュ、解除」 アタシとハルを覆っていた透明な膜が、何もなかったように消える。 あの変態が追われた後、アタシとハルはこっそり抜け出し、この魔法を使いながら王宮へと潜入していた。あの皇帝がいた場所も近い。まあ、いるかは分からないけど、ハルちゃんの話だとアイツ、ずっと奥にいるらしいからきっといるでしょう。いなかったら待てばいいわけだし。 「す、凄いですね。ミレンさんの魔法……」 「まあ、かなりチートよね」 創造なんて世の理を無視した魔法、ファンタジーだとご法度でしょうし。 「でも、この魔法なんで最初から使わなかったんですか?そうしたらフウヤさん追われずに済んだんじゃ……」 「……。ま、魔力割と使うから」 「忘れてたんですね……」 ハルちゃんが苦笑いする。けど、言い訳させて。 「で、でも使うのは本当なのよ。だからこうして節約してる訳だし」 潜入中に近くを通った兵士が、三連凶が動き出したとか言ってたし、多分ヤバい奴がいる。三人も。こういう所で節約しなきゃね。後が怖いわ。
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