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「……ちなみにアンタ、いくつ?アタシ、18だけど」
「16。なんだ年増」
ゴンッ!と鈍い音が脳内に響いた。
「花の18になんて事言うのよ、アナタは!ぶつわよ!」
「もう、ぶだれまじだ……」
ヤだこの人。
「ふふっ。初対面なのに仲が良いんですね。これなら安心して姉弟として送り出せそうです」
「「仲良くない!!」」
オレらの抗議もよそに、痴神は真面目な顔して説明を始めたので、オレらも空気を読んで真面目になる。
「では、これより異世界サタナーデへ送ります。魔法などが使える、色々と興味深いところですよ」
「魔法……。向こうでやり方を教わるのかしら?」
「あちらに着いたら、あなた方の頭にデータをアップロードしておきますよ」
「オレらはパソコンか。……あと聞きたいんだが、安全だよな?その世界」
「では、新しい人生の船出に精一杯の祝福を!」
パカッとオレらの座る床が開いた。ここは無重力空間ではないようで、重力が体にのしかかる。で、人間は重力に逆らう事は出来ないので。
「嘘でしょおおぉぉ!!!?」
「うぉぉおお!!?」
オレらの身体は、下へと吸い込まれるように落下していったのだった。
「……ふうっ。これで後始末完了っと。面倒事もあの子達に任せちゃおうっ。私ってば策士っ」
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