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「いだっ!!」
「いたぁ!!」
重力に従い落下していったオレらは、固い地面の上に着地した。
「いったぁ……!何なのよ、もう……!」
「…………」
「あの地神とやら、絶対にアタシたちに恨みがあるのよ!でなきゃ」
「お前、いい加減状況把握しろ」
「え?……あ」
落下してきたオレらを驚愕の表情で見る、兵士と思しき人物たち。見える範囲で10数名いて、オレらを取り囲むように隊列を組み始めている。
……これ、あかんパターンですやん。
「き、貴様ら何者だ!?我が国の空中から落下してくるなど……!国家侵入罪であるぞ!!」
兵士の中でも、凄腕そうな隻眼の兵士が威厳たっぷりに言い放つ。
「い、いやオレらはですね」
「口を開くな!怪しい奴め!」
質問してきたのそっちだよね?なに、キレていい?最近の若者のキレる速度、バカにしてもらっちゃ困るよ?
「何事だ、騒々しい」
「へ、陛下!い、いえ実は……!」
冷静な声色で兵士の列をくぐり抜け、陛下と呼ばれる金髪のイケメンが現れた。
陛下って、アレだよな……要は国を取り仕切る偉いやつ。感情に任せてイケメンに殴りかかるか、理性に委ねて下手に出るか悩むな。
「……ステキ」
隣の年増は目をキラキラさせてるし。
バキッとオレの頬から心地良くない響き。
「誰が年増ですって?殴るわよ?」
「もう殴ってるんですが、それは」
ってか、何でオレの考えてる事が分かんだよ。
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