#002 係決めをします。

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#002 係決めをします。

「おーっし、席つけー!係決めすんぞー」 ちょーっと声がでかめの我らが担任、後藤 権田(ごとう ごんた)先生(通称ゴリ)が、木曜日の7限、眠くなってきた1年2組の教室に入るなりそう言った。 「みんな、元気出せー!起きろー!」 the、熱血。暑い。暑すぎる。まだ四月やで。 ゴリは体育教師。柔道がうまいらしいけど、私達はまだ柔道しない。今は集団行動の練習。だるい。 と、まぁそんなことはどうでもよくて。 「よし、黒板に係書いてくから、どれがいいか5分間選べー!」 ぼーっと頬杖をついていたけど、どうやら外部者にはなれないようで… 「ね、マナハちゃんは何するの?」 隣の席の美少女戦士…あぁセーラー服が眩しい。 「どうしたソルジャーよ」 「ソルジャー??」 ソルジャーは戦士じゃない。兵士や馬鹿マナハ。 私の隣の席には超可愛いお人形さんルックスの女の子、レイカちゃん。 レイカちゃんがポカーンとしているのは多分あたしの発言のせい。とりあえず、可愛い。 「私は…何しよう。何がいいと思う?逆に。」 「えっ…美化委員、、とか、、?」 「何するのそれ」 「学校を綺麗にするんじゃない?名前的に」 「ふーむ」 楽そうなのか何なのか、よくわからない。 「あの…マナハちゃん、怒ってる?」 「??怒ってないよ!」 「よかったー!」 よく言われる。トホホ。 前を向くと、2、3個先から頭が横に出て、やたらとこっちを見てくる奴がいた。 …ユタだ。 「な、に、に、す、る」 小声で聞いてるつもりなんだろうけど、でかい。 「美化委員」 私が真顔でそう答えると、ユタはビックリした顔になる。 なんやねん、そんな変な事言ったのか私。 「係より大変じゃん?委員って」 さっきよりもでかい。もう、席隣とか前後じゃないんだから…気をつけてよ恥ずかしいわ。 「おぉっ?愛羽、美化委員やってくれるのか!?いや~なかなか毎回決まらないんだよ、不人気でなぁ!」 先生に聞かれてたらしい。 結果、あたしは強制美化委員。 「マナハちゃん、あれでほんとによかったの…?」 レイカちゃん、憐れむような目でこっちを見ないでくれ、可愛いから!
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