#004 合宿が始まるよ

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#004 合宿が始まるよ

4月も中盤。 いっぱしのJKぶってるけど、まだまだ学校には慣れません。やっと出来た友達のレイカちゃんは、なんだか人気者。 「おぉ、ゴリ」 ガラガラ!と勢いよく開いた戸の方を見て思わず呟く。じろり、ゴリがこっちを向く。あいつ、地獄耳かよ。 「さー席つけ!今日は教育合宿について決めてくぞ!期間無いからパパっとな!」 おおーーっ!と教室中から湧き上がる歓声。もちろんユタも混じってる。 「まずは、班か!よし!あみだくじだ!!!」 いやまじかよ。そこくじで決めるのかよ。なんてツッコミは心の中だけに留めておく。 実は、ほんの少しだけ、楽しみだったりする。 「さ、お前ら!書いてけ!名前!」 なんで今日はいつにも増して気合い入ってんだって。暑苦しいって。 棒が描いてあるだけの紙切れが、人から人へ繋がれてく。私はそっと、行く末を目で追う。 「はいどうぞ~」 前の男子─橋本くんだっけ─から回され、「ありがと」と返す。 ちょうど空いてる左端に自分の名前を書いて、次へと回す。 仲いい人あんまりいないから、誰となるかなんてあまり関係ないけど。…けど、少しだけワクワクして、そんな自分に驚いて、綻ぶ顔を抑えきれない。 最終的に決まった班が黒板に書き出される。 3班 橋本 仁 岡本 雄輔 佐久間 透 夏葉 麻友茶 冬中 愛羽 宮沢 麗花 ユタと、レイカちゃんも同じ。 私は内心ガッツポーズ! なんだか仲いい人がいるってだけで、楽しくなりそうな予感…。
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