3days ago...

1/4
前へ
/26ページ
次へ

3days ago...

ジャスティスはすごい。 一日で曲を仕上げた。 しかも、ピアノじゃなくて、打ち込みでいろんな楽器を使って。 しかし、昨日からあった不穏な空気は、そんな彼の素晴らしい功績を無視するように、着々と侵食していった。 「何で、ジュリエットに演出をしないんだ?」 「ジュリエットじゃなくて、大島だろ?」 佐助の話は聞く気は無いと言うように、俺はやる気のないツッコミを入れる。 ティボルト役の佐助とは、今日あがったジャスティスの音楽を聞きながら殺陣の練習をしていた。 鏡花はさすがに殺陣は専門外だから、二人でせっせと考えている。 でもね…やっぱ、疲れるんだよね!! だから、ちょくちょく休憩と称してサボりながら、鏡花たちの様子を見ていた。 「大島さ、演技上手いと思うよ? でもさ。清水さん、絶対あの演技は、納得いってないだろ…」 「そんな…別にいいじゃん。ちょっと納得がいっていないぐらい」 「でもさ!」 小心者の佐助が、急に声を荒げた。 「清水さん、妥協しない人じゃん! なのに何も言わないなんて…おかしいって」 「まあ…そうだな」 そういえば、昨日は俺が無理やり脚本を奪わなかったら、きっと俺にも演出をつけなかったのかもしれない。 まあ、それ以降はノリに乗ったからか、いっぱい演出をつけていたが… 「佐助。女子たちの動向を監視しといて」 「報酬でもあんのか?」 キラリと目を光らせた彼に、俺は人差し指を立てる。 「かじやのお好み焼き、半分」 「もう半分は、勝吾の分?」 「まあ、そうかな?」 佐助はクスッと笑って、俺に親指を立てた。 「安く見られたもんだなぁ。 まあ、いいさ。面倒だけど手伝ってやる」 佐助は笑って、クラスメイトの中に消えて行った。 まあ、面倒だよな… つか、女子のゴタゴタなんかに、俺たちが首突っ込んでいいのかな…?
/26ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加