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とりあえず、静かに見とくか…興味も無いし。
今、ジュリエットが牧師と話すシーンをやっていた。
大島がやるジュリエットは、自信満々。
でも、俺でもその演技は違うように見える。
まあ、黙っておこう…いや。やっぱり鏡花のところに行こう。
俺は黙って椅子を取りに行き、彼女の隣に並べて座る。
「よ、鏡花」
俺は返事をしない彼女を心配しながら、一緒に目の前の劇を見る。
彼女の目は虚ろで、話を聞いているかどうかさえも怪しかった。
「ジャスティスの曲聞いたか?
一日でドラマのサントラみたいな曲を作るとか、ガチで『ロック』だったよな」
「…そうだね」
ため息のような、静かで興味のない声。
きっと、聞いた時は一昨日セリフについて語った時のように、キラキラした目だったんだろう。
でも、今は全然そうじゃなくて…
心配だ。抜け殻のようになってしまって…
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