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もちろん、ジャスティスは正義って意味では無い。
ジャスティス・伊藤。このクラスの音響担当だ。
いっつも耳にヘッドホンに、蛍光色のパーカー。鏡花よりも濃い人間だ。
ちなみに、ジャスティス・伊藤の本名は、伊藤権左衛門。
ジャスティス・伊藤よりも濃い親がいるんだろうね。
「ジャスティス。この脚本っぽい曲ある?」
「YO!勝吾!どこの部分だYO?」
「勝吾さん。やめてください!!」
鏡花のことを無視して、俺はジャスティスに脚本を見せる。
必死になって彼女は手を伸ばすが、俺が遮っているので届くはずがない。
「勝吾~。これ、探すよりも、作った方が早いYO~」
「マジで!?え、どんな曲!?」
俺が食いつくと、ジャスティスはチッチッチと指を振り、廊下のピアノの方へ向かう。
さっきまで焦っていた鏡花の目が、キラッと輝く。
「清水っち。この脚本に書き込まれた文字を読んだら、このジャスティスの脳みそに最高なミュージックが降ってきたYO~!」
「し、清水とお呼びください!」
さすがの彼女もジャスティスの流れに持っていかれている。
そして彼は、ピアノの椅子をどかし、その椅子があった場所に立った。
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