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「さて…あー、こんなのはどうだい?」
ジャスティスが和音を三つほど弾く。
…すっげ。
ピアノの音が、宝石のようにきらめいて、ダイレクトに耳に入っていく。
「そして、こんな感じで行くんだYO!」
彼がメロディーを弾くと、隣にいる鏡花が「おお!」と彼女らしくない感嘆の声を出した。
ダイナミックかつ繊細。
それに、彼女が書いた通り、二分前後の曲!
「これでどうYO!」
「お前…ただのラップバカだと思っていたよ」
俺が眉をひそめると、ジャスティスはチェケラーとポーズをとる。
「鏡花。どう?」
「あ、えっと…」
彼女は不意をつかれたような声をあげて、少し口ごもりながらザ・大和撫子の柔らかい笑顔を浮かべた。
「伊藤さん。素晴らしいです。これでお願いできますか?」
「オーケーだYO!でも、ジャスティスって呼んでくれYO!」
鏡花は今度はニコッと子供のような笑顔を浮かべた。
「はい!ジャスティスさん!
よろしくお願いします!!」
思いっきり頭を下げた彼女は、ヘドバンのように、髪の毛をブンッと振った。
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