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「別に居るくらい構わんぞ、相手まではできんがな」
「そう……じゃあ気の済むようにさせてあげて」
涙ですっかりグシャグシャになってしまった、もう一人の娘の顔。
せっかくの美人なんだから、そんな顔はするんじゃない。
涙を拭ってあげたかったが、もはや腕をあげる事すらできなかった。
これでも昔は敵兵を楽々吹っ飛ばしたもんだが、情けない話だな。
ーーねぇ、おとさん。何してるの?
ええとね、おとさんは今、大切な人を待ってるんだよ。
ーーおくれちゃうよ、はやくいこう?
そうだなぁ。もう少しだけ待っててよ。もうすぐだからさ。
ーーもうすぐって、どれくらい?
もうすぐは、もうすぐだよ。遊んでるうちに終わってるよ。
ーーそれじゃあシルヴィアとあそぶの。アリさんあそびするの。
お、いいねぇ。最高にクールな遊びじゃん。
ーーそうなの、くーるなの。じゃあいくね? あーりーさん。
アリさんさぁーん!
ーーくるっとまわって、ワッショイショイ!
ショオイ!
ーーシルヴィアのかちぃ! おとさんよわーい。
うーん、シルヴィアは強いなぁ。オレも頑張ってるんだけどな。
ーーあ、おきゃくさんなの。シルヴィアは、ここでまってるの。
そっかぁ、いい子にしてるんだよ? また後でいっぱい遊ぼうな。
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