2.自殺志願者専用遊園地

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入場ゲートの看板にも、大きな銀色の三日月が描かれていた。 こっちの三日月は、後ろに傾いた揺り椅子のような、よく見る角度の三日月だ。 「ぎんいろ三日月ランド」って、こんな遊園地に似合わない可愛い名前だよな、と、今さらながらにシュウは思った。 立ち止まることもなく、シュウは入場ゲートまでたどり着いた。 ちらちらと周りをうかがってみたが、ほかの人たちも特に立ち止まってはいないようだった。 鞄からチケットを出そうとして、ちょっと足を止める人がいるくらいだ。 ゲートの係員に、シュウは自分のチケットを提示した。 ずしりと重い金属板のチケット。 それを受け取った係員は、専用の機械を使って、チケットから入場券の部分をバチンと切り離す。 入場券が傍らの箱に入れられると、先に入っていた入場券の上にシュウのぶんのそれが落ち、金属の欠片と欠片がぶつかる音が響いた。 入場券を切り離したチケットが、シュウの手に返される。 配布されたチケットは、入場券とアトラクションチケットのセットだったので、残りはアトラクションチケットだけになったわけだ。 これだけでもまだけっこう重いな、と心の中で呟いて、シュウはゲートをくぐり抜けた。
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