3.ど・れ・で・し・の・う・か・な

2/36
前へ
/105ページ
次へ
結局、ひと通りのアトラクションを素通りし、シュウたち一家は園内を一周して戻ってきた。 「おなかすいちゃったあ。ねえ、なんか食べようよ」 妹がそう言って、近くにあるフードコートを指差した。 ちょうど昼食時になっていたので、シュウたちはそこで食事をとることにした。 パンフレットによると、この遊園地では、飲食物は基本無料ということだった。 「あっ。ねえ、見てよあれ。あの自販機。ロシアンルーレット・ドリンク、だって!」 「へえ……あんなのあるんだな」 妹が見つけたその自販機の看板に、シュウも注目する。 『ご一服、いかがですか?  【ロシアンルーレット・ドリンク】  安楽度:80% 遊楽度:60% 興奮度:- 幻想度:-  13ぶんの12の確率で致死毒が入ったドリンクが当たる!  1杯につきアトラクションチケット1枚でご提供  苦しまずに死ねます!(※ ドリンクを1分以内に飲み干した場合)  致死時間…3分以内(※ ドリンクを1分以内に飲み干した場合)』 ちょっと近づいて見てみると、選べるドリンクの種類は、オレンジジュース、コーヒー、カフェオレ、レモンティー、ミルクティー、抹茶オレ、と、まあベーシックなものだった。 ただ、暑い季節でもないわりに、ドリンクはすべてアイスでホットドリンクは存在しない。 これはおそらく、毒の効き方の問題があるからだろう。 ホットドリンクを一分以内に飲み干そうとすれば、相当焦ってしまうだろうから。
/105ページ

最初のコメントを投稿しよう!

158人が本棚に入れています
本棚に追加