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結局、ひと通りのアトラクションを素通りし、シュウたち一家は園内を一周して戻ってきた。
「おなかすいちゃったあ。ねえ、なんか食べようよ」
妹がそう言って、近くにあるフードコートを指差した。
ちょうど昼食時になっていたので、シュウたちはそこで食事をとることにした。
パンフレットによると、この遊園地では、飲食物は基本無料ということだった。
「あっ。ねえ、見てよあれ。あの自販機。ロシアンルーレット・ドリンク、だって!」
「へえ……あんなのあるんだな」
妹が見つけたその自販機の看板に、シュウも注目する。
『ご一服、いかがですか?
【ロシアンルーレット・ドリンク】
安楽度:80% 遊楽度:60% 興奮度:- 幻想度:-
13ぶんの12の確率で致死毒が入ったドリンクが当たる!
1杯につきアトラクションチケット1枚でご提供
苦しまずに死ねます!(※ ドリンクを1分以内に飲み干した場合)
致死時間…3分以内(※ ドリンクを1分以内に飲み干した場合)』
ちょっと近づいて見てみると、選べるドリンクの種類は、オレンジジュース、コーヒー、カフェオレ、レモンティー、ミルクティー、抹茶オレ、と、まあベーシックなものだった。
ただ、暑い季節でもないわりに、ドリンクはすべてアイスでホットドリンクは存在しない。
これはおそらく、毒の効き方の問題があるからだろう。
ホットドリンクを一分以内に飲み干そうとすれば、相当焦ってしまうだろうから。
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