3.ど・れ・で・し・の・う・か・な

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「なーに? あんたたち、乗り物とかじゃなくて、それにするの?」 「あ、いや……」 母に声を掛けられ、シュウは両親のいるテーブルに戻った。 ロシアンルーレット・ドリンク。 面白いとは思うけど、今ここでそれに決める気はない。 妹も同様らしく、自販機にチケットを入れることなくテーブルに戻ってきた。 「ねー、お兄ちゃん」 「何?」 「あれのことなのかな? ……ほら。ガイドさんが言ってた、もしチケットを使い切っちゃったら――って話」 「あー」 そういえば。 そうか。 こういう、ロシアンルーレット・ドリンクなんてものにもチケットを利用できるのなら、この遊園地で「手持ちのチケットをすべて使い切る」可能性も、ないではないわけだ。 ドリンク一杯につきチケット一枚だから、手持ちの四枚をすべて使い切るには、四回連続で〈ハズレ〉――毒の入っていないドリンク――を引く必要があるわけだが。
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