3.ど・れ・で・し・の・う・か・な

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「確率としては、かなり低いよな」 「ハズレは十三分の一だもんねー。それを四回連続で引く確率って……いくらになるの?」 「やめろ。僕に数学の話を振るな」 シュウは耳を塞いで顔を伏せた。 それを見て、妹だけでなく、父と母もいっしょになって笑った。 結局シュウたちは、フランクフルトとかタコ焼きとか、コーラとか普通のコーヒーとか、当たり障りのないものを注文して食事を済ませた。 味は普通においしかった。 フードコートを去るときに、一つのテーブルの上で突っ伏している四人組を見かけた。 テーブルの上には、ドクロのマークが描かれたドリンクのカップが四つあった。 少し歩いたあとで振り返ると、死神の扮装をした従業員数人が、テーブルに鎌を立てかけ、動かない四人の客の体を順番に抱えてどこかへ移動させようとしていた。 たぶん、この遊園地に来て初めて目にする死体だった。
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